「おっと、何も言わなくても君たちの計画は丸見えですよ。この私の創作意欲、利用したいんですね。
いいでしょう。ご協力しましょう」
女は振り返りざまそう言うと、心底愉快そうに目を細めた。
――近頃、社内が楽しげにざわついている。
かすかに聞こえる単語と言えば、ラズパイ・ジオラマ・パタパタあたりであろうか。
「ラズパイやジオラマはともかく、パタパタって、いったい何かしらん。
なんだか楽しそうでよろしいことね」
湧いて出るのはそんなきらきらと輝く好奇心と、モノづくりに対するぬるい情熱。
女は自身の内に潜むそれに気づかぬふりをして、ただひたにノートPCと顔を突き合わせていた。
さて、そんなわざとらしい"無知"もこれで終わりを遂げる。
近づくざわめき、プロジェクトへの参加者を探す声。湧いて出るのは好奇心と、ぬるい情熱。
女は無心でキーボードに叩きつけていた指をとめると、回る椅子の力を借りて振り返り、
その軽い口を開くのだ。
目次
停車駅
ごあいさつ
こんばんは。
「女」こと、パタパタのジオラマ担当・もに倉です。
「ジオラマ作るなら私がやりたーい!」と志願し、ご厚意で本パタパタプロジェクトに
参加させていただきました。持つべきものは自己主張。
※冒頭のセリフは全部嘘です。
さて、今回はジオラマがどのように作成されたのかをご紹介していきます。
登場人物紹介~ジオラマ班~
- おなじみ私
- 我らが大将
- 元メンター様
- 全冠ニキ
はじまりはデザイン
そもそもジオラマってあれだよね、あのー、ちっさい電車とか木とかのあのあれだよね。
↑程度の知識しかないわたくし、可愛くてちんまいパタパタを輝かせるためには
どんな見せ方をすればよいのかぜんっぜんわかりませんでした。
参考にと見せていただいた星光さんのジオラマは、ありえんクオリティの高さだし……。
?? ? ??<動画バージョン?
(パタパタの音よりもモーター音の方が大きいけど…)
※使用しているミニチュアパタパタの表示内容は仮の物です#ミニチュアパタパタ#星光ミニチュアフラップ#企業公式 pic.twitter.com/gJqpqxRCpo— ほしみつデザイン室 (@d_hoshimitsu) November 9, 2022
これは、ジオラマ班に名乗りをあげたの、ミスったな!
などと思いつつ始まった、デザイン決めのMTG。私は衝撃を受けます。
元メンター様「ジオラマのイメージとしてはこんなかんじで……」
※作画:パタパタデザイン担当・KNDさん 左の箱から、パタパタ・モーター・ラズパイのイメージ
いやもうデザイン決まっとるんかい!
悩んで損しました。やっぱりデザインはセンスのある方に任せるに限るよね。ありがとうございます。
当初のイメージ
初回MTGでは、KNDさんの案をベースに以下のようなイメージで作成することが決まりました。
ずばり、スケルトン&電脳~エンジニアならみんなこんなのが好きなんでしょ?~です。
モーターやラズパイをわざとさらけ出し、かっけー機構を丸見えにすることで
エンジニアのヘキをばしばし刺激!地べたは真っ赤にしてディーネットカラーに!
小さい人々を配置して、サーバをいじりながら働いてる感を表現!
とにかくかっけースタイリッシュITなかんじで!
完璧な構想です。
デザイン・イメージが決まれば、あとは必要なものを購入し、実際に組み立てるだけ。
材料――もはやこの世のすべて――はネット通販と百均でそろいます。
結果
アレェ?!
スケルトン……はまあ、ラズパイが丸出しであれがあれかもしれないけれど、
電脳は?! 赤は?! スタイリッシュITは?!
皆さん、これがジオラマの魔力です。
気づいたら緑が生えていたし、電車が走っていました。楽しすぎます。
当初のイメージを無視してひた走る我々ダイジェスト
大将「時間があるなら電脳っぽいのと駅っぽいの、2種類作ってもいいしね」←ここで許しが生まれた
私「百均には小さきもののためのものがいっぱいある♪
コンテナ……電灯……なんかに使うかもだから買っちまえ♪」
元メンター様「何かに使えるかと思って、ジオラマ用の木と夏の緑(芝生っぽいやつ)買ってきました!」
全冠ニキ「この夏の緑何なんですか?」←全員が思っていた
道
そんなこんなで、当初のイメージであった
スケルトン&電脳~エンジニアならみんなこんなのが好きなんでしょ?~
改め、
なんかおしゃれな駅!~BE K○BE~なジオラマ作成に悪戦苦闘した道のりのご紹介をば。
置いてみるだけでなんか可愛いよね
ミニチュアコンテナの中にモーターが仕込んであります(すげー)
ベスト苦戦
とにかく苦戦したのが、ジオラマに乗せたうえでパタパタを回すことでした。
この動画のように手で押さえていないと、モーターとパタパタがうまくかみ合わなくなってしまうのです……。
周りの環境がどれだけ栄えようと、メインはこのパタパタが自動で回っているところ!
ここがうまくいかなければ、すべての努力が水泡に帰します。
様々な試行錯誤の結果、問題点はモーターから発生する力でモノが動いてしまうことであると判明。
※ブーンと振動する→土台が揺れたり、パタパタがずれたりしてしまうことでうまくかみ合わない!
このブーン力で動くモノをなくしてしまうため、以下の工夫を盛り込みました。
- 土台の補強
- 足場の超絶接着
- モーターをビス止め
- パタパタをテープで固定
- パタパタと台の隙間埋め
結果、無事パタパタが――
動く~~~~~~~~~~! やったぜ~~~~~~~~~~~!
あとがき
と、いうわけでいいかんじのジオラマを作成することができた我々ジオラマ班でした。
各々のアイデアを集結させ、実際に形にしていくのは本当に楽しかったです。またやりたいですね。
ちなみに、ジオラマが実際に展示されている様子はぜひ次の駅をご覧ください!
これはKNDさんが段ボールなどで作った展示デモ
たまごのひび割れから身が見え始めたエンジニア。