FSx for Windows File Server でファイルサーバを♪（５）

はじめに　～　さて、FSx の構築です！

ディーネットのよろず請負の深見です。

前回で FSx for Windows File Server (以下 FSx) 構築の準備が完了しました。

本日は、いよいよ本命の FSx for Windows File Server の構築を進めていきます。

本日の作業　～　FSx for Windows File Server の構築（設定）

以下の設定を行います。

• FSx の構築
• 動作確認

FSx for Windows File Server (FSx) の構築

AWS マネージメントコンソールから以下の手順で作業を進めていきます。

ダッシュボードのサービスの検索窓に FSx と入力して、FSx のトップ画面で移動します。

[Create file system] をクリックします。
※構築のスタートです。

[注意] ：これ以降の FSx の設定は画面はすべて英語となりますので、ご容赦を

[Amazon FSx for Windows File Server] を選択(クリック)します。

選択すると下部に英語ですが、FSx for Windows File Server の説明が表示されます。
最下部の [Next] をクリックします。

[ Create file system ]

ここでは、以下の内容を入力します。

項目名	内　容	備　考
File system name	denet-fsx	任意の名称の指定
Deployment type	Single-AZ 2	シングル構成か冗長構成かの選択
Storage type	SSD	SSD or HDD の選択。ただし、HDD は2TB 以上から選択可
Storage capacity	50 GiB	任意の容量を指定
Throughput capacity	Recommended throughput capacity (16MB/s)	16MB/s は推奨値

[ Network & security ]

ここでは以下を入力（選択）をします。

項目名	内　容	備　考
Virtual Private Cloud (VPC))	k.fukami_vpc	任意の VPC の指定
VPC Security Groups	k.fukami_FSx	前回に設定した FSx 用のセキュリティ グループを指定
Subnet	k.fukami-subnet-1a	任意のサブネット

[ Windows authentication ]

使用する Microsoft AD のタイプを選択します。
ここでは、 [ self-managed Microsoft Active Directory ] を選択します。

続いて以下の内容を入力します。

項目名	内　容	備　考
Active Directory domain name	denet-aws-ad.local	構築した AD サーバに設定したドメイン名
DNS server IP addresses	10.0.1.88	DNS サーバの IP アドレス。ここでは構築した AD サーバの IPアドレス
Service account username	fsx-admin	FSx 用の権限委任ユーザー
Service account password	＜設定したパスワード＞	ユーザー作成時に設定したバスワード
Organizational Unit(OU)	OU=denet-fsx,DC=denet-aws-ad,DC-local	設定した OU の完全修飾名
Delegated file system administratoers gruop	denet-fsxgroup	fsx-admin の所属するグループ名

[ Encryption ]

[Encryptoin key] は、デフォルトの aws/fsx (default) を選択。

• AWS Key Management Service（KMS）の暗号化キーによって、ファイルシステムのデータを暗号化し保護します。

[ backup and maintenance ]

設定を省略すると、デフォルトのバックアップ設定がされます。
デフォルトの設定内容は以下の通り

項目名	内　容	備　考
Daily automatic backup window	No preference
Automatic backup retention period	7 day(s)	自動バックアップの保持日数
Weekly maintenance window	No preference

ここでは、設定を省略します。

[ Tags ]

必要に応じて、タグを設定します。

ここでは、設定を省略します。

最下部の右端にある [Next] をクリックします。

[ 設定の確認 ]　～　[ 構築の実行 ] へ

これまでの設定内容が表示されますので内容を確認して、最下部の右端の [Create file system] をクリックします。

[ コーヒー ブレイク ]

Status が Creating となっています。
しばらくの間、ファイルサーバが構築中となります。
完了までは、およそ 30分ほどかかります。（容量によって時間が異なります）
コーヒーでも飲んで気長に待ちましょう。

こちらは、構築中の File system name denet-fsx の Summary 画面になります。
Network & security / Monitoring / Administration / Backups / Updates / Tags を確認できます。

[ 構築完了！ ]

File system name denet-fsx の構築が完了しました。
Status が Available となっています。

これで FSx for Windows File Server を利用できるようになりました。

[ 補足：ファイル サーバーへのアタッチ(接続) ]

補足として、ファイル サーバーへの接続について紹介します。

[Attach] をクリックします。

構築したファイルサーバー (denet-fsx) への接続方法を説明する画面が表示されます。

• Windows のインスタンスの場合
  • EC2 / WorkSpaces / VMware Cloud on AWS

  Windows の場合は、ファイルサーバへのアクセスする仕組み(SMB)は標準で持っていますので、特に追加で必要となるものはありません。

  ※ここでの接続方法を参考に Windows サーバの EC2 インスタンスを用意して、この Windows サーバをドメイン参加させて、接続確認を行いました。

• Linux のインスタンスの場合
  • EC2 / WorkSpaces / VMware Cloud on AWS

  Linux の EC2 インスタンスからファイルサーバに接続する場合、Linux は通常は Windows のファイルサーバへの接続方法を持ちませんので、ここにあるように CIFS をサポートするツールをインストールする必要があります。

• Amazon AppStream 2.0

  AppStream 2.0 は、フルマネージドタイプのアプリケーションストリーミングサービスです。
  こちらについては、ここでは割愛します。

おわりに

　全５回にわたっての Amazon FSx for Windows File Server で Windows のファイルサーバの構築の一例をご紹介しました。

　一応、FSx のファイルサーバ環境を整えるに必要な最小限の設定をご紹介できているかと思います。

　今回は、AD サーバについては、EC2 インスタンスの Windows サーバを立て、構築しましたが、今後、機会があれば、AWS Managed Microsoft AD を AD サーバにあてての検証を行おうと思います。
　※また、これもご紹介できればと思います。

　さて、最後に FSx for Windows File Server の 月額の AWS 料金をあげておきます。
参考にしていただければと思います。

• Storage capacity

項目名	配置	ストレージ タイプ	ストレージ容量	料金/1GB	使用日数	月額
FSx for Windows File Server	Single-AZ	SSD	50GB	$0.156	30日	5.46 USD

• Throughput capacity

項目名	スループット キャパシティ	ファイルシステム数	料金/1カ月	使用日数	月額
FSx for Windows File Server	16 Mbps	1	$2.53	1カ月	40.48 USD

• Backup Storage

項目名	バックアップ ストレージ	料金/1GB	使用日数	月額
FSx for Windows File Server	50GB	$0.05	1カ月	1.05 USD