毎年恒例の米ラスベガスで行われているAWSの一大イベント「re:Invent」ですが、先日新たなサービスの発表がありました。
現在分かっている範囲で、その概要をご紹介したいと思います。
Amazon RDS for Aurora
【AWS発表】Amazon Aurora - Amazon RDSに費用対効果の高いMySQL互換のデータベースが登場!!
AWSのデータベースサービスであるRDSに新たなサービスが追加されました。
これは、単なる取扱い可能DBの追加ではありません。
主な特徴
- MySQL互換
- 商用データベースと同等の可用性とスピード
- MySQLの5倍の性能
- 同じ程度の商用データベースと比較して1/10以下のコスト($0.29/時~)
- ストレージは3つのアベイラビリティゾーンに複製され、各アベイラビリティゾーンでさらに2つコピーされる
- 障害発生時でも自動的に復旧し、データ欠損なし
- 1秒の粒度で過去の状態に復元できるバックアップ
- 従来のRDS(MySQL)から簡単に移行が可能
費用も安く、パフォーマンスも爆速となれば、これを使わない手はないですが、まだリミテッドプレビューなので、一般的に利用できるようになるのは年明けの1月とか2月くらいでしょうか。
AWS CodeDeploy
【AWS発表】コードの管理とデプロイのための新しいAWSのサービス群
ついにここまで来ました。
EC2インスタンスへのデプロイを自動化するサービスです。
主な特徴
- 特定のアプリケーションのバージョンをEC2群に配布できる
- 指定したスクリプトを実行することもできる
- 対象のEC2の指定には、タグなどを利用する
- EC2のアップデート時にELBから一旦外したりできる
- 対象のEC2に、CodeDeployのエージェントソフトウェアをインストールして利用できる
- ChefやPuppetと一緒に利用できる
- EclipseやVisual Studioのプラグインとしても利用できる
- 今日から利用することができる。(VirginiaとOregonで)
AWS CodeCommit
Gitリポジトリをホストできるサービスです!
主な特徴
- 自前でGitリポジトリサーバを作ったり管理する必要がなくなる。
- 既存のGit関連ツールがそのまま利用できる。
- ストレージ容量などを気にしなくて良くなる。
- まだリリースされておらず、2015年早期リリース予定。
- Github、Chef、Puppet、Ansible、Jenkins、CircleCIなどと連携可能
AWS CodePipeline
リリースのワークフローを管理できるサービスです。
主な特徴
- ワークフローを必要に応じて定義できる。
- テストやステージング、本番など様々な環境へのコードデプロイや動作確認のフローを自動化できる
- テストケースを実行し、最後の承認を手動で行って本番環境にデプロイ、といったことができる
- 2015年早期リリース予定。
AWS Key Management Service
【AWS発表】 AWS Key Management Service (KMS)
データ暗号化の鍵を管理できるサービスです。
IAMの新機能としてのリリースのようです。
主な特徴
- これまでは、S3やEBSの暗号化において、その鍵はAWS側で管理されており、ユーザはその鍵にアクセスすることは出来なかった。
- このサービスでは、その鍵を新たに作成し、作成された鍵でS3やEBSの暗号化/復号化を行うことができるようになった。
- 鍵に対するAPIリクエストはCloudTrailにロギングできる。
- IAMの画面から今日から利用できる。
AWS Config
【AWS発表】AWS Configを使ったAWSリソース構成の追跡
AWSの構成管理ができるサービスです!
主な特徴
- EC2に対して、関連付けられているEBSボリュームや所属するセキュリティグループ、EIP、VPCなどの情報が全て可視化できる。
- 時系列の変更を監視し、変更履歴を参照できる。
- splunkや2ndWatchといったパートナーが対応製品を提供している。
- N.Virginiaでリミテッドプレビューとして利用できる
AWS Service Catalog
【AWS発表】AWS Service Catalogが近日登場
AWS上のサービスに対して、オリジナルでサービスカタログ、ポートフォリオを作成、管理できるサービスです。
主な特徴
- 管理者はサービスカタログ内にポートフォリオを作成できる。
- ユーザは、欲しいプロダクトを見つけてローンチできる。
- 近日公開予定。
その他
この他に先日、以下のようなリリースも有りました。
Amazon RDS for PostgreSQLのアップデート- リードレプリカ、9.3.5のサポート、データ移行、3つの新しい拡張モジュール)
感想
個人的には、「Aurora」の発表が衝撃的でした。
どうしても、仮想環境であることによるオーバーヘッドから、「遅い」と言われてきましたが、もはやこれで「クラウドは速い」「クラウドで爆速」という時代になる予感がします。
後は「Config」も面白そうなサービスですね。
どうしても構成管理や変更管理は、地味で後回しにされがちですが、こういうサービスを積極的に利用することで、運用品質も上がってくると思います。
ここ数日で、立て続けに新サービス、新機能が発表されていますが、コード管理や構成管理などのサービスも新たに出てきて、「新しい時代の流れ」を感じます。
次回の更新予定は、12月中旬頃です。