目次
はじめに
ディーネットのよろず請負の深見です。
前回までは、物理 ESXi ホスト上に本題の vSphere 7.0 U1 環境の構築をご紹介しました。
時間が相当に経ちましたが、前回から続きと参ります。
今回は、vCenter Server Appliance (vCSA) の導入構築となります。
Nested 版 vSphere 7.0 U1 環境構築 ~ その3
さて、ここからは、本題の vSphere 環境の中心となる vCSA の構築のお話となります。
※事前に以下を行っておいてください。
- vCSA のインストーラーの ISO イメージファイルのダウンロード
相応の容量がありますが、このファイルが以降で必要となります。ダウンロードは、MyVMware のユーザーアカウントが必要です。
既に ESXi ホストの構築を行っていれば、そのインストール ISO イメージをダウンロードしているはずですので、あわせて VCSA のダウンロードも行っておけば良いでしょう。
vCSA の導入(インストール)
(1) vCSA のインストーラーの起動
-
事前にダウンロードした vCSA インストーラー ISO イメージにあるインストーラーを起動します。
Windows PC であれば、ISO イメージにファイルをダブルクリックすると展開するので、フォルダを辿って探せば OK です。
vcsa-ui-installer フォルダ下にある installer.exe を実行します。
実行すると以下のように起動します。
[インストール]をクリックします。
(2) ステージ1: vCSA のインストール
① インストールの概要が表示されるので、確認したら [次へ] をクリック
② エンド ユーザー使用許諾契約書の内容を確認し、[次へ]をクリック
- [使用許諾契約書の条項に同意します] をチェック
③ デプロイ ターゲットの必要項目の入力
- ESXi ホスト名または vCenter Server 名:[ 物理ESXi ホストの IP アドレス ]
- HTTPS ポート: 443
- ユーザー名: root
- パスワード: (任意のパスワード)
※次回以降の vCSA 構築およびクラスタ構築に関係してきます。
④ 「証明書に関する警告」への同意
- 「証明書に関する警告」が表示されますが、ここでは[はい]をクリック
⑤ vCenter Server 仮想マシンのセットアップ
-
以下の項目を入力します。
- 仮想マシン名: (任意の名前)
- root パスワードの設定: (任意のパスワード)
- root パスワードの確認: (上記のパスワード)
※上記を入力後、[次へ]をクリック
⑥ デプロイ サイズの選択
- デプロイする vCenter Server のスペックを選択します。
- デプロイ サイズ: 極小 (任意で選択)
- ストレージ サイズ:大 (「デフォルト」と「大」、「特大」のいずれかを選択)
⑦ データストアの選択
- データストアが複数ある場合は、その中から選択し、[次へ]をクリック
⑧ ネットワークの設定
- vCenter Server のネットワーク設定をします。
- ネットワーク: VM Network ( 複数あれば、任意を選択 )
- IP バージョン: IPv4 ( IPv4 or IPv6 を選択 )
- IP 割り当て: 固定
- FQDN : ( 任意の FQDN を入力 )
- IP アドレス: 172.16.20.211
- サブネット マスクまたはプリフックス長: 255.255.255.0 ( or 24 )
- デフォルト ゲートウェイ: 172.16.20.254
- DNS サーバ: ( 任意の DNS サーバを指定 )
- 共通ポート: HTTP (80)、HTTPS (443)
⑨ ステージ1の設定の確認
- ステージ1で設定した内容が表示されますので確認し、[完了]をクリック
⑩ インストール開始
- vCenter Server のインストールが開始されます。
インストール完了までにしばらくかかりますので、珈琲片手に気長に待ちましょう。
※インストールが完了すれば、ステージ1はここで終了となります。
引き続き、『ステージ2: vCenter Server の設定』に進むのですが、その前に次の作業を行います。
ステージ2の作業の前に・・・
vCSA のインストールが完了しましたが、ここでステージ2に進むために必要な前作業をリモートコンソールにて行います。
※標準でホスト名は DNS により名前解決しますが、今回は検証環境なので手っ取り早く サーバ (vCSA) がもつ hosts ファイルで静的に名前解決できるようにします。
① vCSA のリモートコンソールを起動し、ターミナルに切り替えます。
- [Alt]+[F1] でログインプロンプトを表示します。
② root でログインします。
③ shell モードへ移行
- "shell" と入力し、Enter を押下。
④ 「/etc/dnsmasq.conf」を編集します。
- エディタ (viなど) で赤枠の箇所を編集し、保存します。
⑤ 「/etc/hosts」を編集します。
- エディタ (viなど) で赤枠の箇所を追記し、保存します。
⑥ dnsmasq サービスを再起動します。
- 再起動後、逆引きで vCSA の ホスト名 (FQDN) を引けること確認します。
これで、ステージ2への前作業は完了です。
おわりに
今回、これで vCSA のインストールが完了しました。
次回は、いよいよ vCSA の仕上げとなります。
この設定作業が完了すれば、Nested 版 vSphere 7.0 U1 環境がほぼ完成となります。
あと一息ですが、本日はここまで・・・。