目次
はじめに
お久しぶりです、ディーネットのよろず請負の深見です。
夏前から個人的にいろいろとあり、大きく空いてしましました。
久々の今回も掲載回数を分けての連載物にしようかと思います。
ちょっと手軽に Kubernetes (k8s) 環境を立ちあげることをご紹介していきます。
今回、ご紹介する k8s 環境の構築には、VMware Tanzu を利用して行います。
まずは VMware Tanzu とは何ぞやからお話をしていきましょう。
[ 補足 ] Kebernetes
Kubernetes は、宣言的な構成管理と自動化を促進し、コンテナ化されたワークロードやサービスを管理するための、ポータブルで拡張性のあるオープンソースのプラットフォームです。
複数のコンテナ化されたワークロードやアプリケーションのデプロイやスケーリング、管理などが自動的にできる機能を備えることからコンテナオーケストレーションツールと呼ばれます。
VMware Tanzu とは
VMware Tanzu とは、VMwara 社が提供する Kubernetes を中核とした統合的なプラットフォームです。
コンテナ化されたアプリケーションのデプロイとスケーリングを自動化し、モダンアプリの開発や複数のクラウド環境での運用を実現するオープンソースプラットフォームの Kubernetes (k8s) フレームワークの実行と単一の制御ポイントからの管理を支援する製品群です。
Kubernetes は、アプリケーションをインフラから解放し、アプリケーションを独立して動作させ、どこでも実行できるようになります。しかし、Kubernetes を企業や組織が運用している既存のインフラ環境に展開するには、ネットワークやリソースにおけるユーザー毎の権限設定やセキュリティーの確保など、構築や運用において少なくない考慮事項が発生します。VMware Tanzu を使用すると、VMware のエコシステムと高い専門性により、一貫性のある適合性の高い Kubernetes をあらゆる場所に配置し、モダンなアプリケーションを動かせるインフラを構築できます。
VMware Tanzu により、IT 管理者は単一の制御ポイントからセキュリティーと信頼性を確保しながら増大するクラスタの管理が可能で、開発者はセルフサービスで迅速にリソースにアクセスし、アプリケーションの開発と提供に集中することができるようになります。
VMware Tanzu の特長
自動化された開発者エクスペリエンス
コンテナの自動ビルド
検証済みのオープンソースコンテナ
モダンなデータ層
どこでも実行可能な k8s 環境
統合されたグローバルなマルチクラスタの運用
マイクロサービスのネットワーキングとコントロール
フルスタックのオブザーバビリティ
※詳しくは、以下を参照のこと
https://tanzu.vmware.com/jp/tanzu
VMware Tanzu のエディション
-
Tanzu Basic Edition
vSphere で Kubernetes を実行。
vSphere の一部としてクラウドネイティブ構造を配置することで、オンプレミスの Kubernetes の運用を簡素化。
-
Tanzu Standard Edition
複数のクラウドで Kubernetes を実行および管理(Docker、vSphere、AWS、Azure など)
マルチクラウド展開のための Kubernetes の運用を簡素化し、オンプレミス、パブリッククラウド、エッジ全体の多くのクラスターとチームの管理とガバナンスを一元化。
-
Tanzu Advanced Edition
DevSecOps 方式で Kubernetes ワークロードを提供
クラウド全体でコンテナーとクラスターを運用可能にするのに加えて、コンテナのライフサイクルを簡素化および保護して、最新のアプリの大規模な配信を高速化し、モジュール式のフルスタック機能による、DevSecOpsを採用し、組織で機能するための最新のアプリプラットフォームを立ち上げることが可能。
以上は、商用の製品エディションとなりますが、これらとは別に今回以降で紹介する
- VMware Tanzu Community Edition
があります。
Tanzu Community Edition (以下 TCE) は VMware が提供するマネージド Kubernetes の製品である Tanzu Kubernetes Grid (以下 TKG) の OSS 版で商用環境も含めて無償での利用が可能です。
様々な IaaS (Providers) をサポートしており、基盤部分 (Runtime, Connectivity) は OSS で構成されております。そしてそのうえには様々な k8s アクセサリが簡単にインストールできるかたちで用意されています。あらかじめに必要な機能は一通り最初から準備されているものの、この構成の代わりに自分で好きな OSS や製品を導入することも可能です。
現時点の TCE (OSS) と TKG (商用) の差異としては、製品である TKG は VMware のサポートや L4 ロードバランサーアプライアンス (NSX-ALB) の提供などがあるものの、TCE にはそれらがありません (ロードバランサーは metallb などを自前で導入/構築すれば使えます)。
TCE と TKG の関係は、「Fedora OS と Red Hat Enterprise Linux」の関係に似ていると言えます。
開発元である VMware としては TCE を幅広いユーザー層に使ってもらい、そのなかで得られたフィードバックを TKG という製品に反映させるという関係を現時点で考えています。また、TCE を開発環境に使っている企業が、重要な本番/ステージング環境でサポート付きの製品版の TKG を導入することを期待しているようです。
※ TCE の詳しく紹介および解説は以下 URL を参照のこと
https://blogs.vmware.com/vmware-japan/2021/10/tanzu-community-edition-2.html
次回について
今回は、座学的な内容が中心でしたが、
さて、次回からは TCE 環境を vSphere 7.0 に導入するお話になります。
今回は、TCE の vSphere 版環境の構築が目的ですので、vSphere 7.0 + vCenter Server Appliance 7.0 のシンプルな構成をあらかじめ用意しておきます。
構築する環境は以下のイメージの予定です。
それでは、次回をお楽しみに!