目次
ご挨拶
お疲れさまです、寺井です。
本記事は2023/10/07に福岡で開催された「JAWS FESTA 2023 in Kyushu」の参加レポートとなります。
朝から一日イベントだったので、超ボリュームとなりますがお付き合いくださいm( )m
JAWS FESTA とは
「JAWS-UGによる全国規模の交流イベント」
「地方のJAWS-UG支部が主催で開催する年一回のカンファレンス」
要は、年に一回地方でやるでっかいコミュニティイベントということのようです。
今回の申込者数はなんと約400人と大規模なイベントとなっております。
では早速当日の様子をお伝えしていこうと思います!!
当日の様子
会場「福岡工業大学」
福岡 博多にある「福岡工業大学」という大学さんでの開催となります。
オープニング/開催宣言
今回の実行委員長の「あべたく」さんによる開催宣言からスタート!
約4年ぶりのオフライン開催となった本イベントへの熱き思いを語っておられました。
あべたくさんの熱量が全員に伝わって、会場全体のボルテージが上がったように感じました。
メインセッション:地方コミュニティの存在意義とは?
オープニング後はそのままメインセッションが始まりました。
モデレータとパネラー3名で用意したテーマに沿ってディスカッションを行う、パネルディスカッション形式のセッションでした。
【登壇者の方々】
- 鈴木 健斗さん
- アイレット株式会社
- Cloudflare Meet-up
- 立花 拓也さん
- 株式会社ヘプタゴン、株式会社デジタルキューブ
- JAWS-UG東北
- 松村 優大さん
- 株式会社オルターブース
- Fukuoka.NET (ふくてん)、Japan Azure User Group (JAZUG)、PHPカンファレンス福岡
- 家壽田 雅史さん
- ゼロバンク・デザインファクトリー株式会社 (株式会社みんなの銀行)
- Japan Google Cloud User Group for Enterprise (通称:Jagu'e'r)
皆さんそれぞれ有名なパブリッククラウドのコミュニティに所属&運営されており、そんな方々同士のディスカッションということで、盛り上がらないわけがないですよねー。
ディスカッションのメインテーマは、
オンラインイベントという選択肢が存在する今だからこその "地方コミュニティの存在意義" について
もっぱらオフラインイベント好きの私的には「そういう考え方もあるのか…」とちょっと驚きでした。
ここからテーマに基づいた問いかけに対するディスカッションに入ります。
そもそも地方でコミュニティを運営をする意味はあるのか?
白熱したディスカッションが繰り広げられましたが、その中で私の主観で心に残った内容をピックアップして紹介いたします。
Q. コロナ禍でオンライン活動が活発化している中、地方への発信が容易に可能となった。
→ そんな中で地方での運営の意味とは?
「辞めたかったらやめる またやれば良い」
- オフラインは双方向 →新しいアイデアに繋がりやすい
- 地方運営は大変(集客、登壇、会場など)
- 「コミュニティ」だから仕方ない →仕事ではない
普段経験できないことができる
- 全国に友人(繋がり)ができる →単純に楽しい
地方で運営する意味は「有る」
- 登壇 → 聴講 →情報を知る(Input)
- オフラインだと更にこの後の発展(質問、名刺交換、直接的なアクション)がある
- オフラインの方が盛り上がるし、熱量が上がる
- 共通のトピックを持った仲間を持つことができる
人間関係を広げるためには双方向会話が重要
- 参加後はフェードアウトしがち →継続難しい
- それでも努力/トライすることに価値/意味がある
- コミュニティに参加することで初めて会社同士認知しあえることもある
- 地元を大事にしたいという意識
Q. 各拠点の自走 そのモチベーションは?
- 好きだからこそ興味がある →支部という存在を知る(認知) →自分の地域でやってみる
- 新しい人にバトンタッチしていくことも大事
- 同じ人がやり続ける →新たな人が輪に入れない
- 循環させる必要がある →一緒に盛り上げていける人が増えてほしい
Q. 地方のコミュニティイベントに参加する人たちに期待するアクションは?
自分に置かれている環境とは関係のないセッションを受けてみる
- 物事を違う視点で見る →広く知ることが大事
- 思ったように面白くなかった場合も これを続けてみる
- いっそのこと運営側に回ってみる →臆せずに突き進むことで必ず良い結果に繋がる
インプットだけでなくアウトプット
- 違うエリアの民に話しかけて色んな知見を得る →コラボレーションにつなげる
- 形は問わないので、会社や周りの人に伝える(ブログ、SNS)
- 100回の参加より1回の登壇 →参加だけでなくアウトプットすることが重要
Q. コミュニティ活動において(周りの県を)盛り上げるための手法は?
- 都市部での活動を継続して地方から来られる場所を作り続ける
- その熱量を持ち帰って地方でやる
- 数にこだわらない →いつも同じメンバーでもこだわって継続する
感想・まとめ
各地で活躍されている方々の感じ方や意見を知ることができて大変よかったです。
若いながらもモデレーターを務めた鈴木さんの進行も勉強になりました。
社内コミュニティなどこれからの取り組み方においても参考になりそうです。
お昼休憩
メインセッションが終わり、一旦お昼休憩。
大学の学食を食べられるということで、会場のほぼ全員が食堂に向かいました。
登校している学生さんからしたら異様な光景だったと思います…。w
私は激デカのチキン南蛮(風)定食をいただきました。(これで430円 安ぅ…。)
福岡市の隅っこで世界に向けて AWS を叫ぶ
そしてここからは自分が行きたいセッションを選んで参加する形式となります。
なんといってもFESTAなのでお祭りトラックに参加することにしました!
(このお祭りトラックのエリアが楽しすぎて、結局最後までここに居座ることに…。)
「福岡市の隅っこで世界に向けて AWS を叫ぶ」では、計9名の方々による"熱い叫び"が繰り広げられたんですが、印象に残ったところをピックアップして紹介させていただきます。
BeeX 河村さん
- AWSへの感謝を叫ぶ
- ブラックベルトの説明わかりやすい(ブラックベルトのあと公式マニュアル →You Tubeアーカイブ有り)
- 公式ブログ ソリューション紹介の記事が熱い 英語版の方がオススメ
- 認定試験 3年更新 知識の大型アップデート →受験後は最新パッチを当ててつよつよの状態
AWS認定試験の更新を、知識の大型アップデートだと捉えられているのが印象的でした。
そういう風に捉えることができれば、もっと楽しんで更新に臨めるような気がしますね。
クラスメソッド 芦沢さん
- 「あなたは本当にAWSを学べていますか?」という問いかけの叫び
- コミュニティ参加 →アウトプット →新しい技術を知る →AWS触る
- 学びの方程式を回す
- 興味 × 義務 × 情熱 = 結果 (Cloudflare亀田さんのお言葉)
- 知らないサービスのハンズオンをやる →アウトプット(ブログ、登壇、支部の運営) →AWSを主軸とするロールにチェンジ
「学びの方程式」はかなり核心をついていると感じました。
いずれかが欠けていると結果に繋がらない事が多いんだろうなーと。
本当の意味で「AWSを学べている」と言えるように精進します…!
トレノケート 山下さん
- 「末端じゃない先端だ」という熱き思いの叫び
- 「末端の人からは何も言わない」という言葉を耳に
- そもそも「末端」という役割は無い →本当に「末端」からは何も行われないのか?
- 否、やる(やってきた)
- 結果にコミットする
- 自ら進んで挑む
「末端」と言われようが関係なく挑んで、結果を出す。
山下さんが実際に業務の中で体現しておられて、大変説得力もあったため心に響きました。
結果・まとめ
その後参加者全員の投票が行われ、トレノケート山下さんが優勝となりました!!
会場全体を巻き込んでのコール・アンド・レスポンスと、熱い叫びで文句のない優勝だったと思います!
短時間で一気に色んな方の「叫び」を聞くことができて、"笑いあり学びあり"の非常に有意義な時間で面白かったです。
JAWS FESTA版!グループ対抗 AWS ウルトラクイズ
1チーム3名のチーム対抗でAWSにまつわる様々なクイズに挑戦するというもの。
本イベントには聴講者ではなく、回答者側で参加してきました!!
グループ対抗ということで、AWS歴の浅い私でも微力ながら協力できるだろうと考えて参加したんですが…
蓋をあけるとグループ内で一人ずつローテーションしながらの回答形式でした。
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オワタ/(^o^)\
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少ない経験値ですが、脳みそフル稼働で頑張りました…!!
総じて面白かったんですが、個人的に特に面白かった問題をいくつか紹介させていただきます。
re:Invent 2014 で発表されたサービスは?
A. AWS Lambda
B. Amazon Aurora
C. AWS Config
D. 上記全て
Lambdaがもうすぐで10年という情報を耳にしたので、「A」だと思ったんですが
正解は…
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「「D. 上記全て」」
いやー意外!!
どれも歴史のあるサービスなんですねぇ…。Lambdaに目が行きがちで完全に盲点でした。
Amazon Bedrock で使える基盤モデル(FM)は?
A. Claude 2
B. Amazon Titanium
C. Jurassic Park
D. rinna
「C」が確実にネタであることは確信しましたが、それ以外のものは「あれ、どうだっけな」と考えてしまう絶妙なワードチョイスだと思いました。
正解は…
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これは実際にBedrockを触っているとイメージしやすかったと思います。
「rinna」がSageMaker JumpStartで対応したこととか、全く知らなかったので勉強になりました。
現在、存在しないサービス名は?
A. Amazon Kinesis Video Streams
B. Amazon Kinesis Data Analytics
C. Amazon Kinesis Data Firehose
D. Amazon Kinesis Data Streams
「存在しないサービス"名"は?」というところがポイントみたいですね。
正解は…
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「「B. Amazon Kinesis Data Analytics」」
こちらのサービスについてはつい最近触れる機会があって、サービス名が変更されていたのを知っていたので「触っててよかったな~」と思いました。
それにしても「Amazon Managed Service for Apache Flink」ってすんごい長いですよね。(構成図書くときとかに大変…。)
Amazon SQS のアイコンは?
サービスアイコンの問題。
普段から構成図の作成とかでサービスアイコンに触れているとわかりやすそうですが、AとBが似すぎててマジでどっちかわかりませんでした。
正解は…
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よくよく見たときに、そのサービスでどのようなことができるのか を考えてみると、非常に納得のいくアイコンだなと。
当然のことかもしれませんが、よく出来てるなぁと感じました。
結果・まとめ
優勝したチームは「火山スパータンズ」となり、惜しくも我々「海峡ナビゲーターズ」は優勝を逃す結果となりました。(チーム名やばすぎ
色んな角度からの様々な問題があり、結果的に大変勉強になりました。
チーム間の競争もあってめちゃ盛り上がりましたし、グループ内の方々とは一瞬で距離が近づいた気がします。
恐らく別の場所でお会いできたときも「あのウルトラクイズのときの仲間!!」となれそうで、とてもいい経験ができたなーと思いました。
JAWS FESTA お茶会テーブル
イベントの概要↓
テーブルにおいてあるテーマで会話するもよし、各自が今話したい技術情報や交換したい情報、アイデアを持ち寄り、テーブル内のメンバー同士が語り合い知識や仲を深める場にぜひご利用ください。
自由形式で、好きな方と好きなことを話せる空間 という感じで、立食形式で色んな人と交流するものだと思って参加しました。
が、結果的には集まったテーブル内のグループで盛り上がりすぎて、ほぼ一時間ずっと同じデーブルでお話させていただきました。
ご一緒した方の大半が九州で働かれており、地方特有の状況や課題や聞けたり、少数精鋭でたくさんの領域をこなすことが多いことだったり、
社内だけでは味わえない、地方のモノサシを知ることができてよかったです。
The Right Tools for The Right Job 時はベンダー戦国時代!AWSと相性が良いのは誰だ?!
AWSと他のサービスを組み合わせて、より効果的/効率的なアーキテクトを紹介するセッションでした。
SaaS系のサービスを組み合わせたり、マルチクラウド的なアーキテクチャを作った経験が無かったので、知見を広げられればと思い参加しました。
Momento KOITABASHI Yoshitaka
「Momento」って存在は聞いたことあったんですけど、どういったものかほぼ知らなかったので勉強になりました。
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パブリッククラウドと相性が良い(組み込みやすい)
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使用開始までのステップが少ない
- アカウント登録
- トークン発行
- 組み込み
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それぞれのサービスごとに用途が明確(シンプル)でわかりやすい
- Momento Cache ・・・キャッシング、高速化
- Momento Topics ・・・リアルタイムPub/Sub
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非エンジニアへMomentの魅力をどう伝えるか
- Q. キャッシュって?AWSってなに?
- A. 現サービスの速度を上げたくないですか?高速なキャッシング機能を有したアプリ、チャットサービスを作りたくないですか?
- →Momentoでこれが簡単にできる
Snyk株式会社 FURUYAMA Sanae
「ロゴはなんか見たことあるなー」ぐらいのスタートでしたが、最終的には非常に魅力的なサービスで使ってみたいなと感じました。
アプリだけでなく、IaC(CloudFormationとか)のコードに対しても有用とのこと。
(VScodeにプラグインとして組み込むことでコーディングしながら脆弱性検出)
実は「Amazon Inspector」の内部では「Snyk」の情報をソースとしているところもあるとか。(ヘェ~
- So,Now You Knowの頭文字
- ロゴのドーベルマン →ゲートキーパー的な意味合い
- DevSecOpsの実現をサポートするサービス
- アプリ・インフラ・運用・セキュリティ →まるっとSnykでセキュリティ管理
- CI/CDに組み込める
- AWSのコード三兄弟 →Pipelineのプルダウンで選ぶことが可能
- 「新しく作る」のではなく「既存に組み込む」
Cloudflare KAMEDA Harunobu
「私がいる、それ以外に理由が必要? ~AWSを7年半、中から見た男が選んだCloudflare」
タイトルが強烈すぎますね。w
どうしても『Cloudflare=CDN』のイメージを持ってしまいがちですが、セキュリティサービスとしての役割も大きいとのこと。
- AWSのセキュリティサービスを組み合わせることで実現することも可能だが、数が多すぎて全てを熟知したうえで実装することはほぼ不可能
- →これをCloudflareで実現
(CloudFormationでCloudflare組み込み用のRepositoryが用意されているようなので、AWSと簡単に組み合わせてみることができそうです。)
GitHub - aws-ia/cloudformation-cloudflare-resource-providers: Cloudflare CFN Registry resource
- VPC・Regionという概念が無い
- 全サービスが全DC 全サーバ上で動く
- 無料枠が豊富 →試しやすい
- サービスによっては下り通信も無料
- WAF無料(ルール数制限有り)
- 昨今はスピードに加えて、セキュリティが求められる
- 攻撃者は常に勤勉 →プロが面倒をみている基盤を挟み込むことで対策
感想・まとめ
AWSは複数のサービスを組み合わせることを前提とした「マイクロサービスアーキテクチャ」の思想を持っていることから、AWS以外のサービスとも非常に組み合わせやすくなっているんだろうなーと感じました。
AWS内のサービスだけに限らず他のサービスも取り入れることで、より良いものを提供できるようになるはずなので、どんどん興味をもって学んでいこうと思いました。
写真撮影/閉会式
イベントの締めくくりは実行委員会のあべたくさんによる閉会式でした。
なんとあの「JAWS DAYS」が2024/3/2に東京 池袋で開催されることが発表されました~!!!
数年ぶりのオフライン開催となることから盛り上がること間違いなし。
去年ハイブリッド開催された際にも参加しましたが、本当に得るものが多かったと感じるので、絶対行きたいですね!!
最後は会場一体となって実行委員の方々へ盛大な拍手。
実行委員の方々本当にありがとうございました!
懇親会
懇親会はワンフロア貸し切りの立食形式でした。
(申込数 約240名…)
イベント中にお会いした方と「あ、あのときの!」と声を掛け合ったり、
新たな人と繋がって意見交換できたり、
怒涛のLTを聞いたり、
とめちゃくちゃ楽しかったです!
この規模での懇親会ってそう簡単にできるものではないと思うので、良い経験ができました。
(懇親会後も中洲で飲んで食べて最高でした。)
参加の感想とふりかえり
「FESTA」の名に違わぬお祭り内容で大盛りあがりでした。
技術的面でもコミュニティ面でも、得られたことが多くて大変有意義な時間でした。
地方主催の開催とすることで、地方と都市 双方向の意見交換ができることが、このJAWS FESTA特有の盛り上がりに繋がっているんだろうなと思いました。
来年もまた参加したいですね。
長らくお付き合いいただきありがとうございました。
好きなこと:音楽、猫、お酒、ゲーム、効率化
経歴:音楽専門学校 → テレビ業界AD → 通信回線代理店 → IT関連職業訓練 → 2022.12~ 株式会社ディーネット