目次
はじめに
ディーネットのよろず請負の深見です。
今回は、ちょっとばかり VMware 環境のお話になります。
ここ最近、気付けば vSphere のバージョンが 7.0 になっていました。
vSphere 6.5 のリリース以降、いつの間にか 世の中は 7.0 の世界になっていました。更に、つい先月には、vSphere 7.0 Update 1 のリリースとなり、マイナーだけどメジャーなアップデートとなっていました。
社内の空きの機材を利用して、最新の vSphere 7.0 環境を・・・と考えたのですが、普通に立てるとなると相応の機材が必要になるので、どうしたものかと考えました。
そこで、ふと思い付いたのが、検証環境なので Nested 構成で vSphere 7.0 環境を構築すれば良いんじゃないかということ。
これなら、極端な話、サーバになる機器 1 台あれば、環境を作れます。
・・・ということで、今回からは Nested 構成での vSphere 7.0 Update 1 の環境を作っていきます。
【 補 足 】
※1:Nested 構成とは、物理 ESXi ホスト上に必要台数分の仮想 ESXi ホストと vCneter Server などをデプロイして環境を構築する構成です。
※2:1台の物理 ESXi ホスト上に仮想的に vSphere 環境を構築するので、検証用途での利用が前提となります。
vSphere の現況について (~おさらい~)
さて、まずは、現在の vSphere についてのお話をします。
現在、以下のバージョンが存在します。
- vSphere 6.0
- vSphere 6.5
- vSphere 6.7
- vSphere 7.0 / 7.0u1
これらの中で、カレントバージョンとして利用されているバージョンは vSphere 6.7 が多いかと思います。まあ、早いところでは、vSphere 7.0 を導入および移行をしているのでは?と思います。
これらバージョンののライフサイクルは以下の通り。
バージョン | リリース | ジェネラル サポート フェーズ | テクニカル ガイダンス フェーズ |
---|---|---|---|
vSphere 6.0 | 2015年03月12日 | 2020年03月12日 | 2022年03月12日 |
vSphere 6.5 | 2016年11月15日 | 2021年11月15日 | 2023年11月15日 |
vSphere 6.7 | 2018年04月17日 | 2022年10月15日 | 2023年11月15日 |
vSphere 7.0 | 2020年04月02日 | 2025年04月02日 | 2027年04月02日 |
ジェネラル サポート フェーズ とは、メジャー リリースの一般発売日(GA)から始まり、指定された期日までの期間になり、この期間中に VMware 社のサポートを購入していれば、メンテナンス アップデートとアップグレード、不具合とセキュリティの修正、テクニカル ガイダンスの提供を受けられます。
テクニカル ガイダンス フェーズ とは、ジェネラル サポート フェーズの終了から一定の期間のことで、主にセルフ ヘルプ ポータルを通じた問い合わせに利用ができ、電話によるサポートは提供されません。
サポート対象の構成で重要度が低い問題については、オンラインでサポート リクエストを発行し、サポートを受けることが可能、この期間中は、特に記載のないかぎり、新しいハードウェアのサポート、サーバー/クライアント/ゲスト OS のアップデート、新規のセキュリティ パッチと不具合修正は提供されません。
このフェーズは、システムが適度に安定した負荷で稼動している、安定した環境での利用を想定しています。
サポート期間の終了(EOS) は、ここでは「ジェネラル サポートの終了日」+「テクニカル ガイダンスの終了日」になります。
※vCenter Server Applience (vCSA)についても、各 vSphere と同じスケジュールになります。
VMware vSphere 7.0 What’s new
以下は、vSphere 7.0 Update 1 について更新情報の中のトピックス機能についてです。
(ほんの一部です)
(1) vSphere with Tanzu
- vSphere に Tanzu Basic が標準で組み込まれました。(ただし、Enterprise Plus のみ)
- vSphere 7.0 では、vSphere with Kubernetes が提供されていましたが、これは VMware Cloud Foundation へのアドオンだったため、敷居の高いものでした。
- vSphere 7.0 Update 1 では、これを緩和して エディションさえ満たせば、Kubernetes の環境を vSphere 環境にネイティブに構築可能となりました。
※VMware Tanzu は、VMware 社が提供する Kubernetes 環境を構築するシステムです。
(2) vSphere Cluster Service (vCLS)
- vSphere 7.0 U1 から提供される vSphere クラスタへの新しいサービス。
- vCenter Server に大きく依存していた DRS や vSphere HA の機能の独立性を向上。
- vCenter Server がOffline でも一定の機能を提供可能に - 各クラスタ上に1 ~ 3 台の vCLS VM と呼ばれる軽量の仮想マシンを動作させ機能を実現。
- vSphere 7.0 U1 では必須サービスでありアップデート後も自動的に有効化。
Nested 構成の vSphere 検証環境の構成について
今回のvSphere 環境の構成は、以下の図の通りです。
まずは、物理環境と Nested 環境の関連図です。
さらに、Nested 構成の vSphere 7.0U1 環境の構成図です。
おわりに
今回は、vSphere についての現況を簡単かつサラリとまとめた座学っぽくなりました。
ご理解いただけましたでしょうか?
次回からは、細かいところは端折りながらになりますが、構成図にあわせた最新の vSphere 7.0 Update 1 環境の構築を何回かに分けてご紹介していきます。