VMwareのお話(vMotion その2)

こんにちは、ディーネットのよろず請負の深見です。

前回は、VMwareのお話と銘打って、vMotion のご紹介をしました。
今回は、引き続きまして 「その2」として vSphere 6.0 以降で提供のvMotion の機能を紹介します。
まずは、補足になりますが vSphere 6.0 以前から提供の機能を紹介します。

Storage vMotion

 ・パワーオン状態の仮想マシンの仮想ディスクまたは構成ファイルを新しいデータストアに移動
 ・仮想マシンの可用性を維持したまま、仮想マシンのストレージを移動
 ・仮想ディスク移行中に、シックプロビジョニングからシンプロビジョニング、その逆を実行し
  変換することが可能
 ・スナップショットを持った仮想マシンの移行をサポート
 ※vSphere5.1からstandardエディションで使用可能

Storage_vMotion.png

次は、ESXi ホストの老朽化対応でリプレイスなどで便利な機能となります。

ホストとストレージの同時 vMotion

 ・1回のvMotionの操作で、ホストとデータストアを同時に移行します。
   ・共有ストレージを必要とせずに実行できます。
 ・下記の各要素を同時に別ESXi ホストへ移行します。
   ・仮想マシンの構成情報
   ・メモリ
   ・仮想ディスク

etc_vMotion2.png

以下は、今回の本題の vSphere 6.0 からサポートの vMotion の新機能となります。

Cross vSwitch vMotion

  ・ゲスト OS に対して透過的な処理となります。
  ・異なるタイプの仮想スイッチ間での仮想マシンの移動が可能です。
   -標準スイッチ(vSS)から標準スイッチ(vSS)へ
   -標準スイッチ(vSS)から分散スイッチ(vDS)へ
   -分散スイッチ(vDS)から分散スイッチ(vDS)へ
   ※vSS:vSphere Standard Switch
   ※vDS:vSphere Distributed Switch
  ・L2 のネットワーク接続が必要になります。
   -仮想マシンの IP アドレスを変更しません。
  ・分散スイッチ ポートのメタデータを送信

  ※この vMotion は、同一の vCenter 配下の仮想スイッチ間で利用できます。

Cross_vSwitch_vMotion-2-thumb-640x572-236.png

次は、クラスタ間でのvMotion をサポートする機能になります。
仮想化基盤の老朽化などでリプレイスをするなどでの利用が考えられます。

Cross vCenter vMotion

  ・同時に変更
   -コンピューティング
   -ストレージ
   -ネットワーク
   -vCenter Server
  ・共有ストレージが不要な vMotion
  ・規模の拡大
   -vCenter Server 間でリソースをプール
  ・対象となるトポロジ
   -ローカル
   -メトロ
   -大陸横断

  ※大規模なインフラ移行に対応することが可能となります

Cross_vCenter_vMotion-2.png

Cross vCenter vMotion の詳細は以下の通りとなります。

 [要 件]

  ・vCenter Server 6.0 以降
  ・SSO ドメイン
   -UI (Web Client)を使用するには同じ SSO ドメインである必要がある
   -API を使用する場合は異なる SSO ドメインでもよい
  ・vMotion の処理ごとに 250 Mbps の ネットワーク帯域幅が必要
  ・仮想マシン ポート グループに L2 接続が必要
   -IP アドレスは更新されない

 [機 能]

  ・vCenter Server インスタンス間で仮想マシンの UUID を維持
   -MoRef や BIOS の UUID とは異なる
  ・データの維持
   ※次のデータを維持します
   -イベント、アラーム、およびタスクの履歴
   -HA と DRS の設定
    ・アフィニティと非アフィニティ ルール
    ・自動化レベル
    ・起動の優先順位
    ・ホスト隔離時の対応
   -仮想マシンのリソース設定
    ・シェア
    ・予約
    ・制限
    ・仮想 NIC の MAC アドレス
  ・MAC アドレスを vCenter Server 間で維持
   -1 台の vCenter Server 内では常に一意
   -仮想マシンが移動して vCenter Server から離れた場合、 その仮想マシンの
    MAC アドレスを再利用しない

最後に Cross vCenter vMotion の応用機能にあたります。

Long-Distance vMotion

Long-Distance vMotion-2.png

  ・大陸横断レベルの長距離に対応
   -最大 150ms の RTT レイテンシに対応
  ・標準的な vMotion の機能は維持
  ・新たなユースケース:
   -永続的なデータセンター移行
   -Disaster Avoidance (DA)
   -マルチサイトでのロードバランシング
   -世界中で 24 時間 365 日サービスを提供

[長距離移行の要件]

  ・長距離移行の場合は、ホスト間のネットワーク遅延とライセンスを確認します。
   -ホスト間の往復時間は、最大 150 ミリ秒に設定する必要があります。
   -ライセンスが、長距離間の vMotion に対応している必要があります。(Enterprise plus)
   -仮想マシンのファイル転送に関連するトラフィックを、プロビジョニング TCP/IP スタック
    上のターゲット ホストに配置する必要があります。

 Long-Distance vMotion は、実際には制限となる要件があるので利用するには敷居の高い機能かと思いますので、vSphere 6.0 以降ではこんなことができるようになったんだと考えていただければいいでしょう。

今回は、ここまでと。

次回以降は、vSphere HA/FT についてお話できればと思います。

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